有限会社高麗食品

目次

一緒に作りたいプロダクトはなんですか?

キムチの要素を持った常温のプロダクト

どんな会社ですか?

関西で一番、キムチをつくっている会社です。

毎日、約10トンの白菜キムチを生産しています。「黄(ファン)さんの手造りキムチシリーズ」は、関西圏のほぼ全ての量販店様で採用されており、月に約40万パックを販売しています。漬物メーカーには勝てませんが、キムチ専門店としては最大手です。調味料や韓国惣菜の製造・販売も行っています。

1970年に祖母が大阪市生野区でキムチの行商を始めたのが、高麗食品の始まりです。祖母から受け継いだ秘伝のタレであるヤンニョン※をもとに、私たちの母が1976年にキムチ専門店を立ち上げました。現在、基礎のヤンニョンは10種類ほど。素材に合わせて他の調味料と組み合わせ、いろいろな素材のキムチをつくっています。扱っているキムチの種類はなんと、30種類以上です!

※韓国料理における合わせ調味

同じ組み合わせのヤンニョンは白菜と大根、らっきょうくらいで、その他は素材ごとに調味料を組み合わせてオリジナルのヤンニョンを作っています。私(工場長の黄成守さん)はオタク的な要素があるので・・・この素材とこのタレを組み合わせたら、もっと美味しくなるんじゃないかと、想像を巡らせてしまうんです。にんにくを多めに入れたり、唐辛子を増やしたり。ついつい素材に合いそうな調味料をいろいろと足してしてしまうので、製造部からは嫌がれています(笑)

今は、湯葉のキムチやこんにゃくのキムチ・・・いろんな業界が参戦し、進化系キムチの市場競争が激しくなってきています。でも、私たちは奇抜さにとらわれずに、「食べて美味しいもの」を食卓に出していきたいんです。ご飯の時に出てきて、箸が進むものじゃないと作らない!というポリシーがあります。

大量に生産される白菜キムチの様子

特徴!

私たちは量販店とキムチ専門店、両方のフィールドで勝負をしている、ちょっと珍しい存在です。普通、量販店向けに売っているメーカーさんは専門店としての小売りはしないし、逆に専門店のキムチ屋さんは量販店では売らないんです。でも私たちは違います!量販店にも出して、専門店としてもしっかり小売りもします。それができるのは、約50年かけて積み上げてきたノウハウと、柔軟なものづくりの体制があるからなんです。

それに、今も専門店として小売りを続けているのは、生野区で始めたキムチ屋さんとしての“原点”を大事にしてるから。規模が大きくなっても、「生野区のキムチ屋」という自分たちのルーツは忘れたくないんです。お店で買ったキムチを家で食べて、「美味しいな」って思ってもらえることが何よりも嬉しいし、私たちのモットーであり、原動力なんです。

一方で、私たちが量販店にも商品を届けられるのは、年月をかけて少しずつ生産量を増やしてきたからなんです。普通のキムチ専門店は、冷蔵庫や作業台、包装機、金属探知機などの設備が揃っていないので、大量生産はできません。私たちも、最初は10トンのキムチなんて作れませんでした。1~2トンからスタートし、コツコツと設備を整えながら、徐々に量を増やしてきました。おかげさまで、今では専門店としての小売りもできるし、大量に本格的なキムチをつくって量販店にも出せる、かなりレアなキムチ屋さんになりました。

種類の多さも自慢です。常時、30種類のキムチをつくっているところは他にはありません。キムチは賞味期限が短いので、たくさんの種類を「つくること」はできても、「継続して売ること」ってすごく難しいんです。私たちは、味にこだわってなるべく手作業で仕込んでいるので、小ロットで多くの種類のキムチをつくることができます。さらに、素材に合わせて味を調整する技術や、保管のノウハウ、しっかりした販売ルートもあるので、30種類というバリエーションが実現できているんです。

3兄弟で経営しているのも強みです。「弟思いの長男と、兄さん思いの三男と、自分が一番の次男」という『だんご3兄弟』の歌がありますが、そのまんまです(笑)。時には言い争いもしますが、同じ方向をめざしてるから、50年もお店が続いているのだと思います。長男が経理、次男が営業、三男の私は製造や商品開発、品質管理、顧客管理と役割を分担しています。関西で一番キムチを作る会社になったのは、兄弟で力を合わせてやってきたから。一人でも欠けたらダメでしたね。

手で白菜に仕込みをしている様子

持っている技術・強み

  1. 祖母から受け継いだ秘伝のヤンニョン
  2. 素材に合わせてヤンニョンを組み合わせる技術
  3. 味を追求した丁寧な手作業
  4. 30種類以上のキムチをつくることができるノウハウ
  5. 大量生産でも小ロットでもつくることができる生産体制
  6. 365日出荷が可能
  7. 生産スピード(工場長のオタク的な探究心)(気合と根性)

苦手なこと

  1. おしゃれなこと
  2. キラキラしたブランディング(デザインやパッケージづくり含めて)
  3. 調味料の一般販売(BtoBでは評価が高いんです!)

作っている主なプロダクト

 ・キムチ

 (白菜、大根、きゅうり、らっきょう、れんこん、梅干し、大根、もずく、トマトなど、他30種類)

 ・調味料(コチュジャン、ピビンパのタレなど)

 ・惣菜(ナムル、冷麺セットなど)

人気の商品である大根、白菜、胡瓜のキムチ

こうばの様子

塩漬けすることで白菜の水分を抜いていきます。
野菜を適当なサイズにカットをしていきます。
数十種類の調味料を組み合わせながらキムチのタレを配合していきます。
手でキムチを混ぜていきます。
納品する箇所によっては機械でキムチを混ぜていきます。
出来上がったキムチは手作業で箱詰めしていきます。
会社外観

今回のプロジェクトでやりたいこと

キムチは生鮮食品なので、野菜の原料が高くなった時には、普段買わない人からのニーズも増えます。そうすると赤字になるんです。さらに、だんだんと価格競争になってきて、誰も作れないような値段になってしまう・・・このままじゃダメだということで、マーケティングやブランディングを勉強しながら、いろいろと試行錯誤をしています。

最近はロピアさんで専用のコーナーを作ってもらったり、食のセレクトショップさんからプライベートブランドとして出させてもらったり、新しいことにもどんどん挑戦しています。食のセレクトショップさんのプライベートブランドとして発売された「梅干しキムチ」と「もずくキムチ」は、むちゃくちゃ売れました。なんと、月販で7万個も売れたんです!他にも、八尾の米菓 桃乃屋さんとコラボして「黄さんのおかき煎餅キムチ味」というおせんべいを作ったら、とても好評でした。おかげさまで、最近では「黄さんの手造りキムチ」を指名買いしてもらえることが増えてきています。今後も、いろんなことに挑戦して、「黄さんの手造りキムチ」のブランドをしっかり高めていきたいと思っています。

今回のプロジェクトでは、常温で長持ちする商品で勝負したいなと思っています。なぜかというと、冷蔵庫がもういっぱいの状態なんですよ(笑)キムチを30種類も扱っているので・・・。他にも理由があります。冷蔵が必要ないプロダクトであれば、これまでとは違う場所や人にも届く、“新しい出会い”を生む商品になるのではないかと考えているんです。目に留まるパッケージや、新しい売り方も提案いただけたらありがたいです。単なる商品ではなく、キムチをきっかけとしてファンとの対話が生まれるような仕掛けにするのもいいですね。そんなワクワクするような提案をお待ちしております!